デパート(その1)大食堂

かつては、「デパートにお出掛け」という言葉のとおり、おめかしをして1日滞在するような場所だった。

我が家も例に漏れず、家族でデパートに行く時、父はスーツ,ネクタイ着用であった。 どこのデパートも屋上は遊園地、最上階は催し物会場、上から2番目の階に大食堂を構えていた。

大食堂はサンプルが並べられたディスプレイで品定めをした後、入口のカウンターで食券(電車の切符のような硬券)を購入して、空いている席に座るスタイル。ウェイトレスが水を配った後、テーブルに置かれた食券を”片手で”半分にちぎって持って行く作業は、なぜか子供にはプロフェッショナルに見えた。

小さな子供は、デパートのマークやイギリスまたは日本の国旗が付いた爪楊枝が刺さったチキンライスとハンバーグ,タコ型の赤ウィンナーソーセージ+プリン あたりがほぼ定番の“お子様ランチ”。 それに比べると最近の子供向けメニューは、本格的である。(現代は、子供も食通である。)

20世紀アーカイブ

20世紀後半(1970年代)~2000年代前半の交通,車,スポーツ,施設&イベント,書籍&カタログ,その他の記憶や写真です。